2010/7/28
その後がどうしても気になって、というか見に行くべきだと思い、日帰りで立ち寄ってみた。
見慣れた西港からは、なんだか不思議な光景が広がっていた。
そこにあるはずのモノがない。しかも中途半端に。
どこから見ても、その景色が変わることはなく、頭の中にしっかりと記憶されて離れない、あの美しい姿はどこにもない。
ちょうどそのとき、架け替えに使用されたクレーンから一本のロープが降りてきた。
そして、桁の乗っていない橋脚へと繋がれた。
そのままガスバーナーで切断され、フラっと宙に浮いた。
鉄橋が宙に浮いた。
98年もの年月、雨風に耐えた鉄橋は、こうも簡単に崩れ去るものか。
初めて見せた、鉄橋の『足の裏』。
何事もなかったかのように。
ただただ切り刻まれていく。
思い出がありすぎて、言葉にならない。
最期の瞬間。
ガコン....
大きな音を立てて、ほんの数十センチの鉄の塊となる。
そこにあったもの、今まで見上げたモノが、手の届くところに転がっている。
そして鉄の塊になる。
容赦なく、下ろされた鉄を切り刻む。
必死に抵抗しているのか、なかなか切れない鉄くず。
ハンマーで叩かれ、蹴られ、それでもなお切れない。
当たり前
だろ。